『秒速5センチメートル』ネタバレ感想 実はすごく酷い話しなのでは?
新海誠作品は上記2作品くらいしか見たことないなぁ。。なんて思っていた矢先、秒速5センチメートルのTV放送があったので先日鑑賞です^^
短編×3話で1時間ほどの作品です。
完全に前情報無しで見た私としては「(いい意味で)なんか思ってたんと違う。」でしたが、映像はキレイだし種子島の学生生活ってこんな感じなのかぁと新しい発見もあると思うので、見て損はない映画だと思います!
貴樹君。。
2話まで見た時に「桃の香り立つような、なんて甘酸っぱい話しなんだ。。」と思いました。
でも3話まで見終わった時に「なんて残酷な話しなんだ。。」と思ったんです。
おおおい!!おいおい!貴樹君!!あなたが引きずって病んでる間にも、初恋の相手である明里ちゃんは別の男と婚約しちゃってるぞー!??
明里ちゃんは初恋は良い思い出としてしまい込み、現在は別の男性とちゃっかり結婚間近!両親との仲も良ければふんわりスカートにごきげんヒール、にっこり笑顔!
なのに貴樹君ったら街中ですれ違ったそれらしい人に声もかけられないでいて、どころか「まぁ、良いか^^」みたいな顔してるでしょ!?
初恋引きずってボロボロになってるのは君だけだよ!!
…荒ぶる気持ちを落ち着けます。笑
初恋を引きずっている病んだ男って言っちゃえば簡単ですが、貴樹君のはかなり程度の悪いこじらせ男子ですよね。
貴樹君の場合は「会いたいけど、会いたいのは『中学生の時の思い出のあなた』。」なんですよね。
小学生の頃、世界に人は沢山いるのに、心は1人ぼっちだって思っていた。そこに現れた明里ちゃん。自分と分かり合えるのは明里ちゃんだけ。離れ離れで過ごした中学時代、会いに行ったら彼女も同じ思いをして待ってくれていた。道端の小屋で朝まで過ごしたのは2人だけの秘密。
なんてのは「自分は1人ぼっち」とか思っていた男子からしたら麻薬にも近いような甘い思い出なのでは?
明里ちゃんと会えなくなった高校時代、自分には何かが足りない、自分の事をだれも分かってくれないし分かってほしいとも思わない。宇宙を漂うロケットと自分自身を重ねて見てしまうくらい1人ぼっちに感じる。良く言えば人に依存しない大人に、悪く言えば現実を見ていない大人になり、その足りない何かを埋めるように仕事に打ち込み心身ともに疲れ切ってしまうヤバい男。
で、踏切ですれ違った女性が誰か確認出来なかった。そして、もしそれが明里ちゃんだったとしても『中学生の時の思い出のあなた』ではなく『成長した大人のあなた』だからと気づいて微笑む。
完全にヤバい男。
大人になった明里ちゃんも同じく貴樹君のことを思って感動の再会!じゃなくて貴樹君だけが1ぼっちになって、ようやく現実に気づくというエンディングが残酷。
でもこのタイミングで気づいて良かったじゃない?
これからは前を向けそうじゃない?
地域差ギャップにビビる
桜花抄は2000年前後を描いたものでしょうか。公衆電話、ルーズソックス、切符を見ていて懐かしい感じがしました。
で、小学生の2人がマクドナルドで談笑するシーンがありますよね。
そこで私は「ええええ…っ!?小学生が2人でマックだと…!!??どんだけ時代混ざってるんだよ!!!」と思ったんですが、よくよく考えれば舞台は東京であり、東京ではマックがそこらじゅうにあり、ということは小学生が歩いて行ける範囲にもマックがあり、小学生がマックでお茶とかも普通なの??と、かなり地域差ギャップを感じました。笑
ちなみに私が初めて親以外とマックに行ったのは高校生の時でした。というかその時初めてマック食べたかも。まぁどうでも良い話しなんですがね。笑
秒速5センチメートル 総評
70点。
貴樹君を見ていてあまりにも辛いと感じる。「いつでも捜しているよ どっかに君の姿を」がしんどい。
でもこういう大人多そう。というか誰にでもそういう思いって少しはあるよね?自分には何かが足りないと思いながら生きている事。