鍵 -THE KEY-(1997年)映画ネタバレ感想
谷崎純一郎の「好きすぎて変態的行動をとってしまう男」が好きです。
今回見た「鍵」は原作も未読なら、1959年と1983年に映画化されたものも未鑑賞。。
1997年の川島なお美バージョンは評価があまり良くないですが、アマゾンにこれしかなかった(というと渋々見たようですが、実際は嬉々として見ましたw)ので鑑賞開始です!
ちょっと分かりにくいかな?
説明臭い映画は面白くないですが、今回見た鍵-THE KEY-は説明が無さ過ぎて前半「??」だらけになってしまいました。
このくらい有名作品になると「説明なんて不要でしょ」って感じで始まってしまうんでしょうか。
それとも私の理解能力が弱いだけなのでしょうか。。
まず分からなかったのが娘:敏子の存在。
前半で「郁子は安西とはアンバランスな若い妻だなぁ」なんて見てたら急に敏子が出現。誰だいこの娘は?女中さんかな?と思いつつ見進めると家族団らんの食事の席に敏子が座っている。え?この娘は家族ですか?
あとで郁子は安西の後妻、敏子は前妻との子供であることが分かるのですが、うーんなんとも分かりにくい。
次に分からなかったのが木村の存在。
ほんとうにパーティーで若妻に声をかけてきただけの若者なの?ほんとの他人?そんな人を家に呼ぶのか?急に敏子に求婚したのはなぜ?そういう時代なのか?
最後まで分からなかったのは木村の狙いが郁子なのか、安西家の資産なのか?
ラストまで見て本映画の見所は、ジリジリと水面下で行われる騙し合いだなと思ったのですが、上記のような分かりにくい人物設定が入ってしまうことで話に集中しにくくなってるのが勿体ない部分だと思います。
安西:柄本明
変態学者役が似合い過ぎている!!
もともと爽やかな顔立ちではない(失礼)柄本さんですが、あの感情の読み取れない目つき、すごく良いですね。笑
何考えてるか分かんない目なので、ムッツリの役なのですごく合っています。
逆に木村役の大沢樹生さんは「おいおい大丈夫か?」っていうくらいシャキってましたね。
映画全体がしっとりした雰囲気で進む中、彼だけ異様に若さアピールしてるのか?そういう浮ついた役なのかな?と思うくらい目立っていたのが気になります。。
人に文章を読まれるということ
プロのライターでもない限り、自分が書いた日記を誰かに読まれるという行為は恥ずかしいものだと思う。
(日記ですらないこのブログだって知人に読まれるのはとても恥ずかしい。)
安西は日記(というより要望書のようなもの)を郁子に読ませることによって、郁子が秘めている性欲を解放させたいと思っている。
でもそれは表向きで、実は性的欲望を書いた日記を誰かに読まれる状況自体に昂揚感を抱いている自分もいるのでは?原作を読んでいないので正しい解釈なのかは不明だけど、そう読み取れなくもないなぁ。
他の若い男を刺激剤に使おうと考えるくらい変態なのだから、そういう欲求も有りえるなと思います。
鍵 -THE KEY- 総評
70点。
面白かったけど、期待しすぎてたのかもしれない。
川島なお美さんの色気を1番感じたのは、洋服の後ろ姿でした。
1959年版と、1983年版も見たいなと思います。