エクスペリメント 映画ネタバレ感想 esのリメイク

公開日:  最終更新日:2019/03/26

映画「エクスペリメント」見ました。「es」のハリウッドリメイクです。

ちなみにesはドイツ語で「それ」とか「これ」という意味、エクスペリメントは英語で「実験」とかいう意味です。

エクスペリメント

画像出典:アマゾン

あらすじ

介護職を解雇されたトラヴィスは日給1000ドルという破格の実験に応募する。集められた24人の男たちは看守と囚人に分けられ、擬似的に作った刑務所のような施設で2週間過ごすことになる。

トラヴィスは囚人側になり、説明の時隣に座っていた真面目そうな黒人男性は看守側になった。

コスプレゲームのような和気藹々とした雰囲気で初日が始まった。

以下私のネタバレ感想

人間って怖い

この映画の怖いところは、実際に1971年に行われた実験であるという点です。

この映画の中には3つのパターンの怖い人間が出てきます。

1つ目は自分に被害が出ないように見て見ぬふりする人。

2つ目は役割を与えられ、暴力も与えられたと勘違いした人。

1番怖い3つ目は予想していたにも関わらず止めなかった運営側。

暴走してしまった看守側の男も怖いが、それを監視カメラで見ていたのにもかかわらず、囚人の暴動が起こるまで止めなかった実験施設側が1番怖い。最初に「人権を侵害する可能性がある」という説明があったように、実験側は初めからある程度の予想はしてたんだろうな~と思うと怖いですよね。。

esとエクスペリメント

リメイク作はやっぱり比べられちゃうのが可哀相なところだと思います。私も比べました。(基本的には同じ流れなので、どういう実験で何が起こったのか知りたい人にはどちらを見ても良いかもしれませんが。)

esのほうが精神的にやられるという印象が強かったように思います。esが精神的ダメージなら、エクスペリメントは視覚的に見たくないものを見せられる映画、という感じ。精神的にやられる分、やはりesの方が伝えたいメッセージや感じるものが大きかったです。最後に施設から出たみんなの表情とか余韻はすごく印象に残りました。

何か自分にしか分からないものに夢中になっていて、ふと顔を上げて窓の外を見たときに「自分なにやってるんだろ…」と思ったことって誰にでもあると思うんですが、その感情を濃く煮詰めてスパイスとして強者と弱者を加えたのがes。

若気の至りで今思うと恥ずかしいことしてたよな、っていう思いをひっくるめて忘れたい過去にしたのがエクスペリメント。というイメージ。

 

重要な役のバリスについても「?」な部分が多かったです。

この映画の見所の1つとして「順順だった真面目な人が、看守という役割を与えられ支配欲に目覚める」というところがありますが、エクスペリメントのバリスは役割が与えられた瞬間に嫌味な支配者に変貌しています。役割を与えられたからではなく、バリス本人がもっていた性癖の部分が強くでちゃっているような感じに受け取ってしまいました。

暴力描写、精神的苦痛の描写ばかりに注目されてしまって人間の心の動きを描き切れていないのがesと比較し物足りない点ではないでしょうか。

映画「 エクスペリメント 」総評

60点。

どうしてもesと比較してしまう。。esを見てからエクスペリメントを見ると、ただの暴力映画じゃん?と感じてしまうのでおススメできないです。

実験の内容と結果だけ知りたければどちらでもいいけど、映画から伝わるメッセージが強いのはesだと思う。エクスペリメントを見て「意味分からん」と思った人はesを見てみるのも良いと思います。




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