一夫多妻カルト教団を脱出せよ ネタバレ感想
久々にドキュメンタリーを見ました。
「一夫多妻カルト教団を脱出せよ」といういかにも怪しげなタイトル。。
アメリカのユタ州を拠点に活動する重婚カルト教団キングストン一族。そこを脱出した3姉妹が教団内に残る家族や別のカルト集団メンバーの脱出を手助けするといった内容でした。
3姉妹といっても3人の見た目はまったく似ておらず、完全な異父姉妹。
彼女らは1人の男性が重婚して出来た子供達で、家系図を書こうってなったときに、本人たちも笑ってしまうくらい兄弟姉妹がいたというシーンもありました。
(重婚とはいえ、第一夫人しか書類手続きしていないため第二夫人以降は法律上は他人。10人以上の妻、100人以上の子供がいる男性も。)
基本的に教団内は男性優位になっていて、女性は出産するために存在するくらいの扱いだそうです。
ここで疑問に思うところがありますよね。
一夫多妻を教団内で済まそうとすると、男が余るのでは?と。
男性は教団の考えに賛同しなかったり地位が低かったりすると、10代のうちに教団から強制排除されてしまうそうです。
「怪しげな教団から出れて良かったじゃん」という単純な話ではなく、追い出された男性はむしろ不幸な道を歩むことが多いそうです。
ろくに学校にも通わせてもらえなかった普通の10代の男の子が突然住む家から追い出され、家族にも友人にも会えず仕事もなく、といった環境に置かれるわけですよ。
当然荒れますよね。
このドキュメンタリーで紹介されていた男の子は精神を病み、薬物中毒になっていました。
この教団には気持ち悪く感じる部分しかなかったですが、1番嫌な気分になったのが女性は14歳になると強制的に結婚させられるということ。(それも親族と!!第〇夫人として!!!)
結婚して出産したあとは基本放置。夫が来るのは妻を妊娠させたいときだけ。教団内で結婚した女性はこういう生活を送るのが当たり前になっているそうです。
なんとも気持ち悪い。
そして印象深かったのが、「脱出することが不安で脱出できない母親」について。
この教団にいてはいけない、こんな生活はもう嫌だと思いつつも、新しい環境(教団から離れ仕事をし自力で生活すること)への不安がぬぐい切れず、脱出できずにいる母親。
その母親の気持ち、なんとなく分かるな。
絶対変わったほうが良いと分かっていることでも、その行動ってものすごく労力気力がいるし、ましてや今までの生活を捨てて自分の知らない世界(母親は50代くらいに見えた。きっと生まれてから1度も”普通の暮らし”をしたことがない。)に行くのはほんとに勇気がいることです。
このドキュメンタリーだけを見る限り、洗脳系教団ではないように見えた。女性に権利が与えられない事を当然とした生活を送ってきた結果なんだと思う。
(どこの国にも女性の権利が弱かった時代はありますよね。これを洗脳とは呼びませんよね。そんな感じです。)
なんか暗い話ばっかりになってしまいました。
「一夫多妻カルト教団を脱出せよ」というドキュメンタリー見て思ったのは、なにに平穏を感じるかは人それぞれだなということ。
抜け出して幸せな家庭を築いた人。
一旦は抜け出したのにまた教団へ戻ってしまう人。
抜け出したけど病んでしまう人。
うーん。
「一夫多妻カルト教団を脱出せよ」はアマゾンプライムで見れます。