ヘドヴィグ アンドアングリーインチ 感想(ネタバレあり)

公開日:  最終更新日:2019/03/07

約8年ぶりに「 ヘドヴィグ アンドアングリーインチ」を見ました。

20代前半の頃は映画の奇抜なビジュアルだけに魅力を感じましたが、30代になってから見るとだいぶ印象が変わっていました。

ヘドヴィグ

出典元:アマゾン から画像お借りしました。

世間の評価はかなり良いですね。

ヤフー映画 4.1点/5点

アマゾン ★4.5/★5

フィルマークス ★4/★5

以下、私の感想

好きなところ、良かったところ

やはりビジュアル最高

もともとドラッグクイーン系メイクが好きだったこともあり、派手な衣装、メイク、小道具などはかなり魅力的でした。

奇抜なロックバンドなのに、お客さんには普通に真面目そうなおじさん…そのギャップも面白かったです。

恋人に振られて落ち込んでいるシーンの「Wig in a box」という曲で、昼間オシャレにメイクした私は女優より美しく魅力的よ、みたいな歌詞がありますよね、これは全女性にとってすごくぐっとくる歌詞ではないですか?

この曲の伝えたかったこと、としては間違っているかもしれませんが私は美しくなりたいと思う人に向けた「そんな落ち込まないで、メイクして出かけましょう、昼の間だけでもね。」というメッセージなのかなと受け取りました。

曲の歌詞が良い

実は8年前に見たときにサントラも購入していました、今でも運転中とかに聞くことあるのですが英語が分からないので雰囲気のみを味わう感じだったんです。

ですがですよ!!

今回見て、字幕で歌詞をじっくり読んで、「自分は今まで曲の良さ何も分かっていなかった…!!」となってしまいました!

特に感動した曲が「The origin of love 愛の起源」。

ヘドヴィグアンドアングリーインチ といえばこの曲、って言われるくらいの代表曲なんですね。

哲学も、宗教も、なんにも興味ない私が「愛っていいな…こんな風に愛が始まったのなら人間って素敵だな…」と思ってしまった曲です。

この曲と一緒に流されるイラストも地味なんだけど印象に残るというか、味があるというか。

この曲に出てきたように自分にも片割れがいるとしたら、素敵ですね。

ヘドヴィグへの共感

若いころのヘドヴィグは超乙女です。

ちょっと年上の恋人に言われるがまま、なんでも従う。

そして恋人に振られなにも手に付かない。

上で書いた「Wig in a box」という曲にもあるように、昼間くらいはオシャレして誰にも負けない魅力を振りまくわ、といった気持ちはすごく分かります。

でも仲間には「私、辛い…」という態度を見せない、見せたくない、見せられない。これもすごく分かる。

裏切られたり、心を盗まれたり、置かれた状況は ヘドヴィグ のほうが何倍も残酷なので一概に共感できる、と言ってしまうのは浅はかかもしれませんが、やはりヘドヴィ の心というのはすごく共感できます。

 ヘドヴィグ は性転換手術を望んでいたのか

これは私はNOだと思っています。

ヘドヴィグは男とか女か関係なく、「片割れ」を見つけたいだけなんじゃないか、と。

周囲の大人の「こうあるべき」に、自分の意志をじっくり考える間もなく従うしかなかったのではないかと。

「こうあるべき」というのは大人である私でも怖いと感じるのに、若かったヘドヴィグには怖いと理解する間もなく飲み込まれてしまったんだろう。

分からなかったところ

夫イツハクについて

夫であるイツハクはヘドヴィグの事が好きすぎてああいう行動してしまうの?それとも本当に嫌いなの?

こっそり ヘドヴィグ のカツラを被るシーンも。

途中別のオーディションに合格したって出て行ったけど、後のライブでは戻ってきてて客席にダイブすると女性になってた…

イツハクについての心情描写が少なく、私には理解できませんでした。

ということで他の方の感想を読み漁りました。

ミュージカルのほうがイツハクの心理描写がきちんと描かれているようですね。

このイツハクについては色んな解釈がありますが、私個人がしっくりきたものを纏めました。

・元は女性で ヘドヴィグ のファンだったが、何かのきっかけで男(夫)になることを命じられ嫌々従っていた。

・なので就寝時やライブ中などヘドヴィグを押しやる動作をよくしていた。

・最後のライブでヘドヴィグはイツハクにカツラを渡たし女に戻ることを許し、 ヘドヴィグ 自身もメイクやカツラを脱ぎ捨て素の自分に戻っていった。

ヘドヴィグは巻き添えにする誰かが欲しかったんじゃないでしょうか。

1人では心細い、辛い、でも周りにはそのことを言えない。

プライドが高く、圧力をかけることでイツハクを巻き添えにしていた。

けど後半で素の自分を認め、イツハクの事も解放した、ということでしょうか。

ヘドヴィグ の中性的魅力

私が典型的日本人だからだと思うんですが、曲作りの才能・ライブパフォーマンスは魅力的だと感じましたが、人を誘惑するヘドヴィグの外見的魅力というものはよく分かりませんでした。

総評

85点

ぬるい映画には飽きてしまった人にお勧めしたい。

曲はサントラ欲しくなるくらい素敵なものばかり。歌詞を寝る前に思い出して浸ってください^^

だだし。

万人受けはしないと思う。(とくに男性…)



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